1. |
青外線がぼくらをころして
04:40
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例えば団地は廃墟に変わって、面影 天使は 羽ばたき うたう
その子と空との間の空白、とてもただれて思えたのです。
『身体に毒だよ、架空の青外線。
浴びればプチプチ溶けてしまうね。』
酸素に還って、大気に還って だれかに吸われて吐かれるのです。
見上げたら、青色。ぼくらをころして 指先、つま先、空気に溶け出す。
僕らは今すぐあの日に還って、
手をつなぐ。走りだす。無になって、踊る。
青すぎる空と、入道雲と…。団地の向日葵、息ひそめ、二人。
ブロック塀を飛び降りたら、少年の頬は、微か綻ぶ。
例えばあなたは心が壊れて 面影なくして ぐちゃりと、笑う。
その子と僕との間の空白 埋め出す蝉時雨、あのなつのまま
——見上げたら、青色、とおい日のまぼろし。
熱気球、手を振り笑うきみ
今はもう わからない。追いかけてた「本当」とか
もしまた出会えたら 傷ついても 抱擁を
落ちてくる青色 ぼくらをころして
からだが、きおくが、空気に溶け出す。
僕らは、ようやく、あの日に出会えて、
手をつなぐ。 走りだす。無になって、踊る。
だからせめて物語の中だけ。
だからせめて
美しい消滅を。
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2. |
ロキソニアン・パイロットグライド
02:44
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夜迷子少女、地球の端に座った。
一人の時だけ、きみはお月様に笑うのです。
女の子 グライド 足が痺れて困った
観覧車、黒い骨格見せてきしむのです。
悲しみステップ とてちてたたた。
ないものねだりの三角座りをしてるの、あは。
「変わらないものなんてないの。」
急天降下流星乱舞 六茫星 私 パイロット
左手をメガホンにして 世界に放てＳＯＳ！ を！
あは
綺麗な円を描いたつもりが 困った
３．１４５８９７・・・円周率は崩れてく
「変わらないものなんかないけどわたしそれがほしいの。 」
急天降下唯我独尊 参謀長 わたしパイロット
左手をメガホンにして 世界に放てＳＯＳ！
「やっと一人になれた」って！
ないものねだりの三角座りをララララララ
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3. |
夜営サーカス
04:19
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向こうで光っているのは、サーカス オバケだらけの。
会えなくなった みんなが 全員 出演者だよ。
ハロー ハロー 久しぶり。そちらは どうですか？
過ぎた日に 愛を込めて
観客のなか見つけた 秘密基地作ったお兄さん
茂みで 踊っているのは あの子さ、いつか 好きだった
ハロー ハロー 久しぶり。子供でいられたね。
この夜に 愛を込めて
だんだん だんだん 夜になる あなたが 遠くなる
よぐさの こもりうたで 寝息をたてた
ブランコは揺れる 手を伸ばす きみは宙吊りで 空を踊る
きみは 両手を離して、僕は顔をふせた。
ひとり ひとり きえてゆく、肯定すればいいのかな。
この生は、夜営のサーカス。
ブランコは揺れる なお揺れる 僕も生きるのに手探りだよ
高い梁はきしんで、つよく飛んだ。
月の影、みんなでうたう優しい子守唄
僕らが笑い合った事、忘れないでね。
見上げれば せぇので割れた花火に微笑んで、
大盛況でいつか夢が終わるまで。
この生は夜営のサーカス 萌えいづる歓声と、
お月様の拍手で、あなたは ねむる。
向こうで光っているのは、サーカス オバケだらけの。
会えなくなった みんなが 全員 きみを待ってるよ。
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4. |
大気圏外の魚
03:39
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３年前から、わかっていた事。神社の境内、うたう蝉時雨
炭酸のついでに 吹き出てこぼしたもの、
心のどこかに ずっと残ってる
そのあと僕らは「遮断機の赤色が怖い」と笑ってた。頭上、天の川。
その日の僕には、わかっていた事。
思い出も気持ちも、こぼれてゆくんだね。
さあ、手をつなぎ、夜を蹴ろう。もう 僕達は、月の真裏。
忘れないでね、全てのワンシーン。全てを覚えていれればいいのにね。
【―――定時放送。大気圏内のあなた達へ。
本ニュースは暗い話題ばかりを取り扱ってきましたが、
これが最後の放送となります。
親愛なる地球のあなた達へ。親愛なる夏の喧噪の中のあなたへ。
願わくば、その一瞬があなたの中で終わりませんよう、
願わくば、その気持ちを塵になるまで忘れませんように。――】
思い出達が死んだら、お別れ、さよなら。
それでも、意味はありますように。
【――あの日、境内をぬけた僕達は夏の匂いに焦がれ、
頭上にはまんまるお月様、地面を蹴れば届きそうだった。
不意にふれた右手、その気持ちを、忘れずにね。――】
さあ、手をつなぎ、夜を蹴ろう。もう 僕達は、月の真裏。
さあ、天の川 こえてゆこう もう、僕達は、そらのさかな。
【――CGP-530、人工衛星“エンゼルフィッシュ”より、
最後の通信を終了します―――】
蝉のノイズで見えない 視界をたぐって、
僕らはあの日々を泳ぎ終えた。
夏の蝉時雨、とおくなる、とおくなる
真昼お月様、見上げてた 見上げてた
サイダーの匂い
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5. |
ダージリーフ
03:27
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（汚れた塗炭屋根に水滴の散弾銃、
打ち抜かれた穴だらけの街、暗がり
ーー笑う方法を探した、鮮やかであろうとした。）
雨の匂いに 誘われたから、女の子はパラソルまわしてた。
（その子は遠くのオルガンの悲鳴を自分の事のように悲しんだ。
この世界は脆い人間ほど正しいと、
グラジオラスの花が優しく語りかけた。）
心の声に 促されたから、少しの時間 息を止めてみた。
いま 世界中が命を放り出した
きっとあなたは ひとりで泣くでしょう
ステイホワイト 身体中に咲いてる雨 愛でて
また陽が射したら、影踏みしようね。
あめの下で 踊った なみだで笑顔つむいだ
よごれた足で影踏み、花をつかまえる。
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6. |
終末画家のあしたについて
03:28
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中学校の屋上で、ばかなぼくら空と話してる セイハロー
音楽室は短調を 校庭は罵声を奏でてるから
このまま影になっちゃおう
中学校の屋上で、消極的に破滅を描いてる セイハロー
音楽室に短冊を、そいつがハ長調でゆれている。
そのまま、夜があけた。
なつのおわりの この世が おわる日の せいくらべ
手をつないで、いつかしたみたいに笑う
風が吹いた、スカートが鼻腔を 燃やした。
中学校の屋上で、明けた空で夜明けを待っている セイハロー
終末画家が筆を折る その音を右耳で聴いていた。
「このまま、ばかになっちゃおう・・・？」
「きょうも、おわるね。
かなしいけど、世界は、きれいだね・・・。」
手をつないで いつかしたみたいに 笑う
君が泣いた 赤い目で ドレミ、うたった。
きみに まけて、きみが まけて、
ぼくら きえて、やっと きえて、
（ひとにあわせて、「変わってる」で売って
うけいれられて、
声を合わせてださい歌うたって、
恥ずかしくなって、
なんかいいな っておもって、）
へいわに
わらう
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7. |
生命と夏
06:30
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夜を旅する人 冬が過ぎた頃 夏の夜の気配感じて
消えてしまった 消えてしまった
自販機道路を通り過ぎた頃 呼び声に手をひかれて
行ってしまった 行ってしまった
ありもしない夏祭りの気配 どこかに感じて
彼がここに帰ってくる事は もう 二度とない
消えてしまいたいね 名前呼ばれたいよ
「ここに君は居てもいいよ」と
どこにも僕は居ない気がした
相思相愛優しい声がして、そして僕は笑って手をとったよね
それを聴いたのは 遠い夏でした 目の前には あの夏の日
手を振る夏のあの日々は まだ日射しに揺れていた
目の前、僕に手を伸ばす 幼い君の手
手をとり過去は甦る 日射し 柵を登って
半袖 スカート 幼いぼくらの夏
捨ててみたよ 君や誰かに愛される要素、全て。
利害もなく、それでも聴こえますか 君の声は
それでも声きこえました「君はここにいてもいいよ」
声の主は誰だろう 君は誰？ 走り回るけど
声の主は 夏だった
手をとり駆けたあの日々は まだ日射しにゆれていた
世界にたった二人だけ そう感じていた ひまわり
手をふり世界にお別れを 僕はもう帰らない
目の前ありもしない祭りの音 その胸に感じて
僕はゆく 明日へ
夏のめぐる 未来へ
目の前にはこれだけ
生命と夏
それだけ
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きいろれこーず リリースページ4 [KR-069]～ Japan
きいろれこーずは「誰にでも、聴きやすく。」をテーマに歌モノを中心に全作品無料でリリースするネットレーベルです。
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